今回は、ダイエットコーラは本当にダイエットによいのか検証していきたいと思います!
ダイエットコーラやカロリー0食品には、多くの場合、人工甘味料が含まれています。
人工甘味料はカロリーがないに等しいとのことですが、本当に摂取しても大丈夫なのでしょうか?
本記事でも、海外論文を参考にしながら、人工甘味料について解説していきます!
この記事がおすすめな人
・ダイエットコーラは痩せると思っている
・いつもダイエットコーラを選んでいる
・カロリーゼロ商品を選びがち
人工甘味料では痩せない!?

結論から申し上げますと、人工甘味料を取ることで痩せやすくなるといった論文は得られませんでした。
それでは、検証した論文をみていきましょう。
その1 人工甘味料を取ったほうが太る?
最初にご紹介する論文は、「ダイエットしようとすると太る?人工甘味料と砂糖を欲しがる神経生物学(Gain weight by “going diet?” Artificial sweeteners and the neurobiology of sugar cravings)」という論文になります。
この論文では、「人工甘味料が健康的でダイエットによい」という認識は企業の広告宣伝の結果だとして、人工甘味料が本当にダイエットに効果的なのかについて検証しています。
人工甘味料は減量に貢献するのでしょうか?
この論文の答えは「人工甘味料は減量に貢献しない」です。
いくつかの大規模な前向きコホート研究は、人工甘味料の使用と体重増加に正の相関関係があったことを発見した。〔…〕さらに、介入研究によって得られた共通認識は、人工甘味料単体では減量の助けにはならないことを示している。
Several large scale prospective cohort studies found positive correlation between artificial sweetener use and weight gain.〔…〕In addition, consensus from interventional studies suggests that artificial sweeteners do not help reduce weight when used alone.
NCBI “Gain weight by “going diet?” Artificial sweeteners and the neurobiology of sugar cravings”(筆者訳)
上記のように、この論文では他の様々な論文を検証していますが、人工甘味料がダイエットに効果的であるという結果は得られなかったようです。
むしろ、人工甘味料を使う人は太っている割合が高かったとまで言っています。
しかしそれだけでは、人工甘味料が太る原因かもしれませんし、あるいは人工甘味料を多く摂取している人は砂糖も摂取しているだけなのかもしれません。
つまり、人工甘味料と肥満が因果関係にあるのか相関関係にあるのかわからないということです。
ですので、「人工甘味料は太る原因になる」と断言はしないほうがよさそうです。
その2 なぜ人工甘味料で太るのか?
では、なぜ人工甘味料で太るといった結果が出てしまったのでしょうか?
先述のように、この結果には2つの可能性があります。
①人工甘味料が肥満の原因である
②肥満である人は人工甘味料を取る傾向が高い
それについて、一部回答してくれている論文があったのでご紹介します。
取り上げる論文は、「人工甘味料は体重をコントロールする助けになり、肥満を予防することができるのか?(Can artificial sweeteners help control body weight and prevent obesity?)」という論文になります。
その論文では、次のようなことが言われています。
エネルギーが低い食べ物を摂取することで、それを埋め合わせようとするためにエネルギー摂取量が増加する。
〔…〕the consumption of low-energy foods is followed by an increased energy intake to make up the lost energy.
Cambridge University Press “Can artificial sweeteners help control body weight and prevent obesity?”(筆者訳)
つまり、カロリーが低いダイエットコーラやカロリーゼロ食品を食べたあとは、カロリーを多めに摂取したくなるということです。
これは誰でも経験があることだと思います。
私も、プチ断食したあとにものすごくたくさん食べたくなったことがありました(笑)
これも理由の1つかもしれません。
ただし、「①人工甘味料が肥満の原因である」という説が否定されたわけではないので、もう少し様子を見る必要があるでしょう。
その3 人工甘味料が効果的でないとする多数の論文
そのほかにも、人工甘味料が肥満に効果的でないと結論づける論文は多くあります。
ここでは、そのような論文の引用を少しだけご紹介したいと思います。
〔…〕動物と人間の両方のデータは、人工甘味料の影響によってメタボリックシンドロームと肥満の蔓延が進行する可能性があることを示している。
〔…〕data in both animal models and humans suggest that the effects of artificial sweeteners may contribute to metabolic syndrome and the obesity epidemic.
Springer “The Association Between Artificial Sweeteners and Obesity“(筆者訳)
不幸なことに、現存するエビデンスは、人工甘味料が砂糖を摂取することで起こる慢性病と同様の病気のリスク増加と関係している。
Unfortunately, evidence now indicates that artificial sweeteners are also associated with increased risk of the same chronic diseases linked to sugar consumption.
Science Direct “Artificial sweeteners are not the answer to childhood obesity“(筆者訳)
↑人工甘味料をとることで、砂糖をとったときと同じような生活習慣病が発生してしまうということです。
大規模な疫学的研究は、子どもにおいて、人工甘味料入り飲料の消費と体重増加の関係が存在しているということを支持している。
Data from large, epidemiologic studies support the existence of an association between artificially-sweetened beverage consumption and weight gain in children.
Taylor Francis Online “Artificial Sweeteners: A systematic review of metabolic effects in youth“(筆者訳)
このように、人工甘味料が肥満に効果的ではない、あるいは逆効果であると明言している論文は多々あるようです。
食品に関連する企業は「ダイエットに効果的」「カロリーオフ」「カロリーゼロ」「痩せる」といった言葉で商品のマーケティングを行っていますが、その効果は保証されたものではないことがあるので気を付けてください。
まとめ

今回は、人工甘味料が本当にダイエットに効果があるのかについて解説しました!
結論としては、ダイエットに効果がない可能性が極めて高いということになります。
そのため、カロリー0を謡っている商品があったとしても、アスパルテーム、アセスファムK、スクラロースなどの人工甘味料が入っているものは、砂糖と同じように太るかもしれないということを頭に入れながら検討しましょう。
また、人工甘味料には解明されていないリスクがあるようなので、それについては次回以降の記事でお伝えしたいと思います。
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参考文献
Yang, Q. (2010). Gain weight by “going diet?” Artificial sweeteners and the neurobiology of sugar cravings: Neuroscience 2010. The Yale journal of biology and medicine, 83(2), 101.
Benton, D. (2005). Can artificial sweeteners help control body weight and prevent obesity?. Nutrition research reviews, 18(1), 63-76.
Pearlman, M., Obert, J., & Casey, L. (2017). The association between artificial sweeteners and obesity. Current gastroenterology reports, 19(12), 1-8.
Swithers, S. E. (2015). Artificial sweeteners are not the answer to childhood obesity. Appetite, 93, 85-90.
Brown, R. J., De Banate, M. A., & Rother, K. I. (2010). Artificial sweeteners: a systematic review of metabolic effects in youth. International Journal of Pediatric Obesity, 5(4), 305-312.
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