誰しもが一度は「ダイエット中にフルーツを食べても太らないのだろうか?」と疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
とくに、糖質制限中となれば、糖分を多く含む果物は避けたほうが賢明なように思えます。
そこで今回は、海外論文を参考にしながら、ダイエット中にフルーツを食べてもいいのかについて解説していきます!
この記事がおすすめな人
・ダイエット中に果物を食べてもいいのかわからない
・果物を食べると太るのか知りたい
フルーツをたくさん食べても太らない⁉

フルーツと肥満の関係を解説するにあたって、2つの論文の内容をご紹介します!
2つの研究はそれぞれ、フルーツの摂取頻度と摂取量を調査したものとなっています。
結論から申し上げますと、フルーツの摂取頻度や摂取量が高いと痩せやすいという結果になりました。
以下、詳しく解説していきます。
フルーツの摂取頻度と肥満の関係
フルーツの摂取量と肥満の関係について解説している論文があります。
それは「フルーツの摂取と歯の脱落、肥満の関係(The relationships among consumption of fruits, tooth loss and obesity.)」という論文で、18歳以上の20103人のアメリカ人の情報をもとに行われた研究になります。
その中で、次のようなことが言われています。
果物を摂取する頻度は、肥満、脱落した歯の本数とそれぞれ逆相関の関係にあった。
(Frequent consumption of fruits was inversely associated with each of obesity and number of missing teeth.)
Europe PMC “The relationships among consumption of fruits, tooth loss and obesity.”(筆者訳)
果物の摂取頻度と肥満が逆相関していると言われていますが、これは果物を頻繁に食べる人は肥満の割合が低かったということです(果物をたくさん食べる人は、歯も健康らしいです)。
つまり、フルーツの摂取頻度が多いほど太りにくいということです!
したがって、フルーツは糖分がたくさん含まれているから、ダイエット中は食べない方がいいという主張は誤りということがわかります。
たしかに、フルーツには糖分が含まれていますが、それと同時に食物繊維も含まれています。
食物繊維には血糖値の上昇を抑えてくれる効果と、満腹感を高めてくれる効果があります。
そのため、フルーツをよく食べると太りにくいという結果になったのでしょう。
したがって、フルーツはむしろ頻繁に食べたほうが良いということがわかります。
では、フルーツの摂取頻度ではなく、摂取量と肥満の関係についてはどうなのでしょうか?
フルーツの摂取量と体重の関係
先ほどは、フルーツの摂取頻度についての研究でしたが、フルーツの摂取量と体重の関係についての研究も存在します。
それは「フルーツの摂取量と体重の可能的な関係についてのレビュー論文(The potential association between fruit intake and body weight – a review)」という論文で、複数の論文を検討しているという点でこちらのほうがより包括的な論文となっています。
その研究についても詳しく見ていきましょう!
やはりここでも、果物を食べているほど体重が低いということが言われています。
以下に引用文と訳文を載せておきます。
私たちは3つの介入試験、8つの前向き観察研究、5つの横断研究を調査の対象とした。2つの介入試験がフルーツの摂取が体重を減少させることを示し、5つの前向き観察研究はフルーツの消費が体重増加と肥満を減少させることを示した。さらに4つの横断研究は、フルーツ摂取量と体重の逆相関を発見した。
(We identified three intervention, eight prospective observational and five cross-sectional studies that explored this relationship. Two of the intervention studies showed that fruit intake reduced body weight, five of the prospective observational studies showed that fruit consumption reduced the risk of developing overweight and obesity, and four of the cross-sectional studies found an inverse association between fruit intake and body weight. )
Wiley Online Library “The potential association between fruit intake and body weight – a review”(筆者訳)
少し内容が難しいと思いますが、簡単に説明すると、フルーツを食べることで痩せると結論付けた研究のほうが多いということが言われています。
つまり、多くの研究で果物の摂取が体重を減少させることが報告されています。
もちろん、調査の対象となった全ての論文でそれが実証されたわけではありません。
しかし、少なくとも半分以上の論文でフルーツを取ると体重が減少するという結果が出ています。
そのため、フルーツを食べることで太る可能性は限りなく低いです。
ですので、ダイエット中にフルーツを食べる際は安心して食べてもらって大丈夫です。
肥満に効果的なエキゾチックフルーツ

では、どんなフルーツを食べると良いのでしょうか?
最後にご紹介するのは「糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームの治療を促進するエキゾチックフルーツ(Exotic fruits as therapeutic complements for diabetes, obesity and metabolic syndrome)」という論文になります。
エキゾチックフルーツとは「外国の果物」を意味しますが、この論文では「アメリカを原産としないフルーツ」のことを指しています。
結論としては、エキゾチックフルーツが肥満や糖尿病に対して効果的なことが示されています。
上記の研究から少し引用して解説します。
エキゾチックフルーツは様々な生理活性物質を含んでおり、糖尿病、肥満、炎症に対する健康上のメリットをもたらす可能性がある。肥満や糖尿病の複雑な病態を予防するためには、エキゾチックフルーツによるこれらの健康上のメリットを単独で、または組み合わせて利用することが非常に大切である。
(Exotic fruits have various bioactive components with potential health benefits, including anti-diabetic, anti-obese, anti-oxidant and anti-inflammatory. Alone or together, a combination of these health beneficial effects rendered by the reported exotic fruits is very important to prevent the development of complex pathophysiology of obesity and diabetes.)
Science Direct “Exotic fruits as therapeutic complements for diabetes, obesity and metabolic syndrome”(筆者訳)
この論文内で取り上げられているフルーツは、ライチ、ドリアン、ジャックフルーツ(パラミツ)、マンゴスチン、アサイー、クコの実、ザクロ、アボカド、柿、グアバとなっています。
なじみのないフルーツが多く並んでいますが、アボカドや柿、アサイーなどは日本でも比較的手に入れやすい果物ではあるので、ダイエット中にフルーツを選ぶときに参考にしてみてはいかがでしょうか。
もちろん、それ以外のフルーツを食べても問題ありません!
ですので、上記のエキゾチックフルーツは参考程度にとどめておき、ご自身が好きな果物を食べるようにしましょう。
まとめ

これまで、「ダイエット中にフルーツを食べてもいいのか」について解説してきましたが、結論としては、ダイエット中はフルーツを食べても全然大丈夫です。
むしろ、積極的にフルーツを食べたほうが痩せるという研究結果が多く出ています。
ですので、フルーツは糖分が含まれているからと敬遠するのではなく、日常的に取り入れるようにするとよいでしょう。
参考になれば幸いです。
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